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2009年1月 9日 (金)

価格を低くして苦戦したシャープの逆襲開始?

国の補助金が打ち切られている間、積水ハイムさんなど新築住宅需要以外では、国内需要にしめる訪問販売セールスの比率が急激に高まりました。

そうした状況下で、マーケティング戦略を間違え、希望小売価格を無理して低めに設定したシャープが苦境にたたされたことは、先日の記事で明らかにしたとおりです。

そうはいっても単年度の生産量で世界一の座を抜かれても、累計設置量ではダントツの世界一の座は揺るぎません。その世界一の設置実績を誇るシャープ太陽光発電ですが、実のところたいした利益を出していないというのはうそのような本当の話です。

あんな昔から無理な価格設定を仕掛けたわけですから、開発費、宣伝費など先行投資を、事業単位で割り振ってシビアに事業部利益を算出したら、軽く赤字だったんじゃないかと思います。

稼ぎ頭の液晶部門の利益のおこぼれで生かされてきたお荷物扱いというのが、これまでのシャープ太陽光発電のシャープ社内における評価だったんじゃないでしょうか?

しかし、人生同様、企業活動の浮き沈みはいつ変化するかわかりません。

そんな感じで、1950年代より苦難の赤字を積み重ねてきたシャープの太陽光発電でしたが、(2番手の京セラさんのソーラー部門も同じようなものだと思います)アメリカのオバマ新大統領の”グリーンニューディール”政策とともにいきなり脚光をあびる可能性がでてきています。

日本のメーカーがコスト競争でどんどん生産拠点を中国に移す中で、あえて亀山モデルという”純国産”という付加価値を売りに、従来にないマーケティング視点の切り口にチャレンジした片山体制のシャープですが、”液晶パネル”の次のスタープレーヤーとして”太陽電池”をメインにすえる覚悟を決めたようです。

2011年稼動予定の堺にあるメガ太陽光発電プラントを2010年から稼動を前倒しする発表がありました。

現在の訪問販売セールスの口先付加価値商材という位置から、メジャーな商材に大転回する事態になれば、これまで苦戦の原因であった無理な低価格設定が活きてきます。

ある線を越えた時から低価格が意味を持つようになる、その線の見極めが肝心ですが、太陽光発電と美容健康関連商品との大きな違いは、そこにあります。

高止まりしている間は、訪問販売セールスの口先付加価値が生きる説得商品の域を出ませんが、採算ベースに乗ったとたんに、太陽光発電は実用商品に大きく様変わりします。

今年から国の補助金が増額して復活しますが、それを利用して、更なるコスト努力をすれば、多くの人が納得できる中期採算ベースを確保することは可能になってきます。

この10年間で大きな変化があるかもしれません、太陽光発電の分野では、コスト努力の実績を積んだシャープが、セールスの口先付加価値が命の高止まり価格になれた他メーカーに逆襲を開始することが大いに予想できます。

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