海外製の太陽電池にはバイパス機能がないらしい
最近日影による発電ロスを解消という触れ込みでソーラーマジックという商品がアメリカから輸入されていますが、ようするに部分的な日影で、直列接続の抵抗=発熱=発電損失原因となるモジュールが系列全体にマイナス要因として作用することを防ぐために、影がかかるモジュールを迂回させるために、バイパスダイオード機能をシステム後付けする製品です。
日影の発電ロスをカットできるソーラーマジック
http://www.solarlife.jp/solar-setup/solar-setup-condition/34
ただし、このバイパスダイオード機能ですが、日本の主要メーカー製の太陽電池モジュールには当たり前のようについていますので、主要4社の製品を設置されたお宅には不要な商品です。
自分が確認したところでは、三菱電機とシャープのモジュールですと、さらに高い加工技術によりセルレベルでバイパス機能が働くようにモジュール内部に仕込まれています。
※参考情報※
特に三菱電機のものは、すべてのセルに仕込まれているのかどうか、モジュールを構成するすべてのセル間の電位差がなくせる技術を開発してまして、実発電量のロスを大幅にカットしています。
この技術に加えて、効率よい光の入射を実現するハニカムテクスチャー構造を開発して、多結晶でも単結晶なみのモジュール変換効率を達成した太陽電池の開発に成功しています。
これらの機能には日本でないとできないような繊細な加工技術が求められますので、製造業の海外移転による空洞化に歯止めを掛ける一翼を担えると期待しています。
※
話は戻りますが、海外で先のソーラーマジックのようなモジュール単位でバイパス構成をする製品が開発され、販売されているということは、海外メーカー製のモジュール内部にはバイパス機能が標準装備されていないということなんでしょう。
日本の主要メーカーの太陽光発電システムには不要なソーラーマジック
最近ヤマダ電機さんは中国製の太陽電池を販売開始していますし、東芝さんもアメリカメーカーの太陽電池のOEM供給で販売開始するようですが、海外には設立10年未満の太陽電池メーカーが多いですから、日本メーカーだからできるような高度な機能がない場合が多いので要注意ですね。
どんなに定格出力が高くても、日本のように木陰とか電柱の影とかの影響を受けやすい地域が多いところでは、実際の発電量が半分以下ということもありそうですので、日本再生の願いもこめて、太陽光発電をお考えになるのなら、日本メーカーのそれも国内生産のものをご利用いただけますようよろしくお願いします。
わたしも、国産メーカーの販売施工店の一員として、営業コストなど間接コストを極限まで圧縮して、海外メーカー製の太陽光発電を迎撃する決意ですので、今後も応援よろしくお願いします。
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コメント
ソーラーマジック使用後の数字だけ見ると2429kWh→3144kWhと劇的に上がっているように見えますが、何のことはない、パネル数が2倍になってるんですね。
http://www.housecare.jp/magic/
こちらだとイメージ図があるので分かりやすいですが、同一パネル数での数字を出さないところを見ると、その差は推して知るべしレベルといったところでしょうか。
そもそも最近のパワコンは、設置面が異なるパネルは異なる系統に繋ぐようにできてる(と聞いたことがある)ので、ソーラーマジックなしでも北側にパネルを設置しても足を引っ張ることはないはずですね。
投稿: ソラ | 2010年6月23日 (水) 14時57分
パワコンの電力変換効率とか比較するとさらに日本のメーカーと海外のメーカーの違いが出ると思いますね。
基本的にどのメーカーも系統間の電圧差を調整する自動昇圧機能がありますが、とくに三菱のパワコンはくもりなど電圧が低い段階でピークまで電力変換できる優れものなので、定格出力で現れない実発電量のプラスアルファーは期待できるんじゃないでしょうか?
ただ、短期売り上げ利益を求める場合、海外の大味の消費者相手で、耐久年数が30年ある商品で、そこまで顧客満足を追求する高性能志向が必要かというところはありますね。
遠くない未来に日本の生き方が世界中で再評価される時代になると思いますが、現時点で日本の家電がサムスンにまくられているのもその辺の事情もあるのかもしれません。経済オンチのマスコミ記者とか政治家は、法人税のからみで韓国サムスンの躍進をあおってますが、むりに単純化した議論しかできない連中に世論形成されている日本はとほほですね。
投稿: yokotakanko | 2010年6月23日 (水) 23時26分
バイパスダイオードについて。
私は韓国製のモジュールを取り扱っておりますが、バイパスダイオードは入っています。海外製イコールバイパスダイオードが入っていない、という事にはなりませんので、アップさせていただきました。60直モジュールですと、3個(20直毎に一つ)使われています。そもそも、普通はモジュールの外からバイパスダイオードを確認する事は出来ませんので、その場合は、裏のジャンクションボックスの蓋をはずして(大抵ネジ留め)中をのぞくしかありませんが、ボックス内部は防水目的でシリコンシーラントが充填されています。もし、透明以外のシリコンシーラントだと、ダイオードは見えないでしょう。この場合は、シーラントをはがすしか方法はありません。もっとも、ボックスの蓋を外した時点で、モジュールメーカーの保証が無くなりますが・・・
もちろん、中にはバイパスダイオードが入っていないモジュールもあるかもしれません。そんなモジュールは、J-PEC登録時に、日本市場への流入を水際で防いで欲しいものです。
投稿: shinpv | 2010年7月27日 (火) 17時39分
海外製をひとくくりにしないでというのはもっともですが、”日本国内生産”にこだわるメーカーを後押ししたい気持ちが強いと、あえて韓国製とか中国製に有利になることは書きたくないのも事実です。
在日コリアンの人ならともかく、日本人の自分にしては、自分で自分の首を絞める気がして、あえて中国製・韓国製を扱う気になれないというのが正直な気持ちです。
投稿: yokotakanko | 2010年7月28日 (水) 07時36分