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2010年6月25日 (金)

太陽光発電※海外メーカーの価格訴求を迎撃する三菱のコンセプトに”日本”の生き方を見る

忙しさにかまけて不勉強だった今日この頃ですが、当ブログによせられたコメントで海外メーカーが強烈な価格訴求に出てきていることを知りました。

以下引用

参考・・過去記事・・中国製の太陽電池を売る訪問販売増加中・コメント欄

http://yokotakanko.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-4002.html

”最近、多結晶もかなり安くなってきて、米国sunelec社ではSunというブランドのパネルが1Wあたり1.82ドルで売られているようですが、
これはどうなんでしょうか?”

”確かに単結晶なのに変換効率は低いですが(計算すると14%以下)、それでもカネカやデュポンの薄膜の2倍以上であり、ショップによっては1ワット1.5ドルという価格は薄膜に近いため、スペック上はかなりコストパフォーマンスがよさそうに見えますね。”

引用以上

コメントを寄せていただいた情報によると 、1wあたりのモジュール価格は中国製で150円アメリカ製で180円ですから、当社の日本メーカーのモジュール価格1wあたり300円と比べても、ずいぶん開きがあります。

ただし、前の記事でも紹介しましたが、

参考 過去記事 太陽電池の実際の出力と公称出力(海外製は要注意)
http://yokotakanko.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-10e7.html

参考 実発電量191w超えもある定格出力185w三菱パネル
http://yokotakanko.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/191185-c486.html

定格出力より低いことがほとんどないメーカーと、定格出力の95%あればよしとするメーカーでは、そもそもの実際の発電量が違いますし、日本のメーカーが重視する耐久性に対する配慮の部分を加味しますと、一概に1w当たりの価格という視点だけで短絡的にコストパフォーマンスを判断することはできないというのは事実です。

しかし、定格出力という共通のわかりやすい商品価値の部分で価格比較されてしまうと、日本メーカーを普及させようとするものとしては、かなり厳しい立場に立たされるというのもまぎれもない事実でしょうね。

”いてもいなくてもいいような””高給取り”のメーカー社員とか、なくても誰も困らない”体面作りのための業務”にかさむ”行政”とかの、莫大なコスト負担というハンデを背負わされて競争させられるわけですから、正直しんどいです。

前線に立つ、われわれ中小零細の下請けが、いくら低賃金・過重労働で帳尻合わせをしたとしても、1世紀前の超低賃金で生産される廉価な商品と市場競争をするわけですから、価格競争という同じ土俵で戦ってもなかなか展望は開けません。(エゴリベラルの商学部系エコノミスト連中は、コスト削減ばかり重視しますが、自分から不利な土俵に乗り込むことをすすめているわけで、発想の転換という柔軟な脳の働きに欠けているあほだと思います・・真っ先にコスト削減すべきは無能な癖に高いギャラをもらってるあんたら評論家のほうだろうといいたい気分です。(爆))

たしかに太陽光発電という商品は、商品の一番の使用価値は、コストパフォーマンスであるということがいえるわけで、発電量とコストが重要な要素であることは当然でしょう。

しかし、実際の電力として利用できる能力とか、長期間能力を維持できる耐久性とか、設置場所の家屋に損害を与えない施工基準を確保できているかなどなど、きめが細かい日本国内生産ゆえの付加価値を訴求して、ユーザー導入判断、競争の土俵を得意なところに持ってこないといけないと思います。

そんな中、多くのメーカーがコスト訴求で薄膜タイプにシフトしようとしている中で、あえて高付加価値に活路を見出そうとチャレンジを続けている三菱電機さんの姿勢は好感が持てると思います。

三菱の創業者は、いまNHKの大河ドラマ"龍馬伝”で汚れ役を演じている”岩崎弥太郎”ですが、坂本竜馬などの維新の精神を引き継いでいるのかもしれませんね。

”金銭的な企業利益”だけでなく”社会的使命”を追求する日本型企業のDNAを色濃く持っているのか、国内生産を維持しながら、市場競争で生き残る道は何かというところにこだわりつづけている気がします。

サンヨーさんのようにパワコンは中国製という選択をするメーカーもあるなかで、日本国内の生産技術があってできる商品作りを意識しているのは明白です。

小泉竹中のマネー産業優遇シフトで、壊滅的な打撃を受けた地方の中にあって、あえて、長野県飯田市と岐阜県中津川市に生産拠点を持ち、そこでの生産拡大を目指しつづけていますが、”社会的使命”という道義心だけではなく、その裏づけとなる高度生産技術を同時に追求している点が評価に値します。

最後に、三菱電機さんが他のメーカを引き離している、パワコンの電力変換能力を紹介します。太陽光発電というとモジュールの出力にばかり気が行きますが、どんなにモジュールで発電できても、使える形の電力になるパワコンの過程で大きくロスが出ては意味がありません。

画像 引用元 三菱電機HP

http://www.mitsubishielectric.co.jp/service/taiyo/jutaku/reason/index.html

Photo_6

三菱電機さんはそのパワコンの最高効率97.5%を実現したわけですが、注目ポイントはピークの高さだけではありません。上のグラフを見れば一目瞭然ですが、大きく変換効率が下ぶれする朝、夕方、曇りなど日射条件が中途のレベルのときでも、ほぼ97.5%のピークの変換効率にもっていきますので、実際の累積発電量を大きく稼げます。

このへんのことは、瞬間最大予測値をベースに表示される定格出力を見ているだけではわかりませんので、海外メーカーなどは重きを置いていませんが、設置後の顧客満足という点で、実際の発電量にこだわり、長期的評価を追求しているところは、日本企業の職人気質の精神を守っていると思います。(竹中路線の株放出圧力にも屈せず日本人株主比率過半数を維持できたのが大きいかもしれません)

市場競争の最前線の一兵士にすぎない私ですが、営業活動を通じて、こうゆう日本企業を応援することで、微力ながら日本という国が失われた輝きを取り戻すの役に立てればと思います。

外国情報工作とか宗教団体に支配されたマスコミによって、簡単にぐだぐだにされるようなわが国の政治は、つくづくあてにならないと思うこのごろです。

せめて、日々の生活の現場で、失われた日本をとりもどすために、できることをすこしづつ積み重ねながら、共生協和の日本人らしい生き方を貫いていきたいと思います

PS

こうゆう記事を書いて”日本企業”を持ち上げられると、なぜか”手下”のマスコミに”スキャンダル”が書き立てられるネタが仕掛けられたりする・・・わが国を情報支配している”感性がアメリカンな連中”の手口がわかりやすすぎて、”ギャグの領域に到達しつつある”と思える今日この頃です。

この一年間、日本の司法とかマスコミ編集幹部は、”利己的なプライド”とか”特別ルームでの肉食接待”が第一で、日本全体のことなどどうでもいい連中だということをいやというほど思い知らされました。

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コメント

コメントを取り上げていただいてありがとうございます。
ただSUNのパネルの件ですが、これはドイツ製らしいことが分かりました。
http://sunelec.com/index.php?main_page=product_info&cPath=5&products_id=807
英語はよく分からないので翻訳サイト頼りですが、ドイツの工場で作っているような感じの書き方です。
このSUNというブランドのパネルはこのsunelec以外で扱っていないようで、もしかするとsunelecの自社ブランドかと思います。

>定格出力より低いことがほとんどないメーカーと、定格出力の95%あればよしとするメーカーでは、

http://www.suntech-power.co.jp/products/module/pdf/STP190S_24Ad+_jp.pdf
その点、中国製への不信感があることもメーカーは分かってるようで、このカタログでは「出力誤差0/+5Wの高い信頼性」と謳っています。
ただ、このパネルは日本で先行販売される製品のようなので、まだ海外のショップでは出回っていないため、最安価格がどの程度なのかはよく分かりません。

先日コメントに書いた175Wの製品は変換効率は日本製多結晶並だったのですが、この新製品は14.9%と、サンヨーや東芝に次ぐレベルです。
http://taiyoseikatsu.com/specifications/pvmodules/pvmodules1004.html
(やはり単結晶として見ればまだ見劣りはするのですが・・・)

>当社の日本メーカーのモジュール価格1wあたり300円と比べても

http://www.ecobusinesslinks.com/solar_panels.htm
この価格比較サイトによると、20枚とか60枚単位での価格ではありますが、三菱のパネルですら2ドル台前半で売られているようです。
300円というのが卸価格かエンドユーザーへの販売価格か分からないのですが、どちらにしても日本製品も海外では結構安いようですね。

パワコンについては、携帯電話のSIMロック解除論争と同様に、パネルのメーカーと別でも支障がないという時代になってほしいと思います。
なお、パネルと違ってパワコンは特に海外品が安いわけではないようなので(電力仕様問題もありますし)、DIYでも三菱製が最良のようですね。

投稿: ソラ | 2010年6月27日 (日) 04時58分

日本の主要メーカーの場合システム保証の関係で物流管理が厳しく単品売りができない状況です。
出力から推測すると、海外用の盗品流用とかメーカープレートをつけたバッタもんの可能性があります。

DIY利用でしたら出荷しませんので中国製かアメリカ製かバッタもんをつかうしかないですね。

投稿: yokotakanko | 2010年6月28日 (月) 16時47分

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