設立10年の会社が25年保証をだせる不思議(訪問販売業者・海外メーカー)
最近海外のメーカーの太陽光発電システムを売り歩く訪問販売の業者が増えてきています。
アメリカの太陽電池メーカーのOEM供給を受けて太陽光の分野に参入した東芝の太陽光発電の訪問販売営業も含めれば、訪問販売業者の扱い商品は、日本製から海外製に確実にシフトしている気がします。
最近日本の太陽光発電メーカーが、消費者クレームを恐れて、取引条件の厳格化などで、質の悪い訪問販売業者の締め出しをはかっていますが、その一方で、日本市場への進出をねらう海外メーカーが、日本のメーカーから取引停止になった業者を、取扱店にして、販路として組み込んでいるのが実情です。
とりわけ中国の太陽光発電メーカーサンテックのを扱う営業の話をよく耳にするようになりました。
製品知識のない営業が、メーカーの技術力がものをいうモジュール変換効率、電力変換効率のほうでなくて、シリコン純度を高めれば変換効率が高くなるセル変換効率19%を金科玉条のようにふりかざしているのにはお笑いです。
セル変換効率が高くてあたりまえの単結晶パネルを使用していて、面積あたりの効率を現す、実質的な発電効率であるモジュール変換効率では、日本のメーカーの多結晶タイプと同等の14%程度のモジュール変換効率というのは、技術力の差が歴然としすぎてお話になりません。
それでも世界一の販売量を達成できたのは、ただただ”安い”ということだけなんですが、仕入れ原価の安い中国製の太陽電池を、情報弱者を狙い撃ちする訪問販売が、世界一の太陽光発電メーカーというキャッチで丸め込んで、暴利販売でぼろもうけしているのは、気分が悪いです。
おまけに、設立10年しかない会社が、日本のメーカーが出さない25年保証をだせることを、信頼の証のように吹聴しているようすを聞くと、正直ゲンナリしてしまいます。
日本のメーカーがそんな馬鹿げた長期保証を出さないのは、25年持たないということではありません。25年も経過してしまうと、事故原因によるものなのか?経年劣化によるものなのか?補償対象の初期不良によるものなのか?の区別がつかなくなり、責任ある対応をするために、因果関係の調査など、無駄な処理経費をかけるくらいなら、必要に応じて、誠意ある対応をすればいいと判断しているだけのことです。
中国に限らず、新興の海外メーカーは、設立10年程度のメーカーは、どこも25年保証というのを前面に出しているようですが、自分にしては、10年程度の実地経験しかないメーカーが、25年保証を売りにするほうが、かえって信用できないところだと思ってしまいます。
かって太陽熱のソーラーシステムの業者で、25年保証を売りにして、他より2割くらい高い価格で販売していた”日化住機”という会社がありましたが、保証の対象の事象が発生する前に、見事に会社清算して別会社に生まれ変わってました。
保証付だからと、高い価格で設置したお客様など、結果的に有償のメンテナンス手配すら満足にできない状態に愕然とされたんじゃないでしょうか?
ネットで調べると販売店独自に長期保証しているところもかなりありますが、設立10年未満のその手の会社が平気で25年保証をだせるあつかましさにはあきれてしまいます。
世界経済のマネーゲーム化で、M&Aの成り行きで、設立年数が浅い新興企業でも、なんかのはずみで簡単に世界ランクの上位に並べたりします。
世界のトップ企業とかのキャッチコピーにだまされず、長期保証など安易な空手形をだす不誠実な企業には厳しい目を向けてもらいたいと思います。
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コメント
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2865101/8627537
サンテックの品質の証拠です。
手作業って・・・。
機械化はコストダウンのためだけではないんですけどね。
他の半導体製品で手作業のもので品質が良いものなんて聞いたことはありませんね。
管理者よりご返答
手作業という言葉に込められた意味を忖度していただきたかったです。セル分別・電位差削減の配列調整の手間がかかる工程を”手作業”と表現しただけなんですが、その辺の行間を読み取るかどうかという感覚はすべてに通じると思います。
投稿: ありゅたん | 2012年6月17日 (日) 17時22分