« 国民負担で発電事業者に儲けを献上する再生エネルギー法 | トップページ | ”電田プラン”支持の鹿野農水大臣!休耕田をコンクリートで固めちゃって本当にいいんですか? »

2011年6月26日 (日)

再生エネルギー法を悪用すれば安価な中国産太陽電池パネルでぼろもうけ

先の記事でとりあげた再生エネルギー法ですが、太陽光発電の発電事業者については格段の優遇措置がとられていることが分かります。

下の表に注目していただきたいのですが、固定価格買取保証期間は、10年~15年というように差はないのですが、地熱・風力・バイオマスという分野では電力買取単価が1kwhあたり10円~15円というように明確にされているのに対し、太陽光発電については、当初は高い価格設定でシステムの価格低下にしたがい徐々に低減させるというように、市場価格と称すればいくらでも上値をかさ上げできるようになっています。

参考画像 再生エネルギー法概略(クリックで拡大)

Photo    

すでに価格低下の進んだ住宅用の太陽光発電システムでも、設備費用の上値は1kwh60万円です。その上値で考えた場合、システム定格出力1kwあたりの年間発電量が1100kwhとした場合、15年償却できるには電力単価が1kwhあたり37円以上の買取価格が必要となります。

事業用となると、発電モジュールの部分でスケールメリットがでたとしても、高圧接続対応の付属設備も含めた設備費用・送電変電設備費用などもかかりますので、高品質の日本製の製品でそろえる日本メーカーの場合には1kwあたり100万円くらいは軽くかかるはずです。そうなると1kwhあたり70円~80円という破格の買い取り価格でスタートすることになります。

問題は、そうした日本のメーカーの国内製品を想定して作られた価格設定で、中国産の太陽電池を採用するとぼろもうけができてしまうということなんです。たとえトラブル発生頻度が高くても、とりあえず発電はできるという中国・韓国・アメリカといった海外メーカーの中国生産の太陽光発電システムをメインに発電事業を行っても、エンドユーザーの窓口は各電力会社ですから、勝ち逃げできてしまうということです。

そんな体制での、固定価格買取ですから、15年先にトラブルがあろうとなかろうと、とりあえず発電した分を買い取ってもらえて、売電収益が上げれるのならば、発電事業者としては、目先の利益を追求して安価な海外メーカーの中国生産の太陽電池システムに流れることは自然の流れです。

太陽光発電の全量買取制度が始まり、太陽光発電事業者が乱立したヨーロッパ市場で、世界市場のトップを走っていた日本の太陽光発電メーカーが、設立10年未満の海外メーカーの後塵を拝することになったのと同じ悪夢を、日本国内でも味あわされることになりかねません。

日本の国民が、税金と高い電気料金を負担しながら、太陽光発電事業という市場を創生するわけですが、その果実は、”買取保証を逆手に取った、製造物責任をとわれない、ぎりぎりの低品質の発電事業者”と”その発電事業者が発注するだろう海外メーカー”と”海外メーカーの生産地の中国”にもっていかれるわけです。

そうした悪夢のようなシナリオに思いをはせると、燃え尽きるまでやりきるというカン総理の顔がオーバーラップしてきて、ホント、とほほな気分になりますね。

せめて、発電事業用だけでなく、住宅用の普及促進策も強化してもらいたいです。

目の肥えた日本の消費者の判断に機器選定が委ねられる住宅用の場合は、実際の耐久性・安全機能などで繊細な目配りの行き届いた日本メーカーのシステムを選んでいただけることが多いです。

最近テレビでやたらCM流してる元フジTV女子アナの太陽電池なんかも、”あれアメリカメーカーの中国生産品のOEMですよ!”といわれて、興ざめするお客さん多いですから、住宅用ならそれなりに日本メーカーのシェア維持できるはずです。

反面、儲け第一の事業者の場合は、正直いって”日本”への義理立ては期待できないです。(そもそもオーナー経営者って、生粋の日本人のひと少ないですしね)

今回の再生エネルギー法はだいぶ前に経済産業省がつくったものですが、結果的に中国など海外メーカーの日本国内の実績作りに貢献して、日本メーカーを窮地に追い込むということに気づかなかったのは不思議です。

ある程度発電すればいいというレベルなら、日本メーカーの優位性が生きない分野なんですが・・・それとも補助対象の住宅用太陽光発電の排出権取引で中国企業に窓口業務を丸投げしたのと同じで、通産官僚のハニートラップ疑惑でもあるのでしょうか?

ソンさんも、海外の太陽光発電システムのメーカーを買収して、途上国でつくった安価なパネルで発電した安価な電力を、買い取り保証の高い価格で売り抜けてウハウハになることくらいは想定してそうです。

ある程度の発電ができる程度のレベルが低い太陽電池の分野なら、たいした技術がなくてもトップメーカーになれるというのは、設立10年未満でも、生産量で世界の1位2位になった中国のサンテック、ドイツのQセルズが証明してくれています。

携帯電話事業で、激安通信料で利用者を増やして、その反動で設備投資をケチったあげく、通信状態が最悪でも、長期縛り契約で売ったものが勝ち商法を見せ付けてくれましたが、その電力事業版でがっつり儲けそうです。

さらに今回の場合は、エンドユーザーのクレームの行き先は、送電・配電の窓口の電力会社ですから、こんなおいしい話はないでしょう。

”それなら日本のメーカーも、海外生産で安くすればいいじゃないか?”という話になりますが、単純コスト競争の土俵では、国内行政コスト負担も含めた間接部門のコスト要因で負けは見えてます。そもそも、目先のコスト競争にとらわれて、耐久年数公称20年というものは、実際は30年以上もつようにつくる”日本的なものづくりのこころ”をなくしたら、日本メーカーの”売り”をすてるようなものですから意味がないです。

日本メーカーが生き残るには、次世代技術開発とか、宇宙開発のような、日本のよさで勝負できる量よりも質を追求したものにシフトしていくことになると思います。

今度出される再生エネルギー法で後押しされる太陽光発電事業は、中国産だろうが、韓国産だろうが、とにかく太陽光発電システムを設置して、発電した電力を電力会社に丸投げするだけで収入を得られる事業ですから、たいしたメンテナンスも必要ないですし、寝てれば金が転がり込んでくる事業です。

そんなものを国民負担で推進して、特定の民間業者を利するくらいなら、地方公共団体の収益事業にして、財政赤字削減に当ててくれたほうが、国民に対する利益還元につながるのではないでしょうか?

機器選定についても、国内雇用指数とかポイント化した導入評価条件をつけて、国内生産にこだわる企業が優遇される仕組みを付加させるなど、工夫をこらすポイントは多いと思います。

また、再生エネルギー法で買い取り価格でやたら太陽光発電が優遇されていますが、地熱とかバイオマス(オーランチキトリウム)とか風力とかの比重を高めにして、途上国生産に侵食されないような、日本メーカー特有の高度な技術力がいきる分野での市場拡大=経済成長に結びつくものにシフトする工夫も必要だと思います。

その辺の経済産業事情を踏まえた政治の”エネシフ”の動きならいいのですが、単純に”脱原発=自然エネルギー”という低レベルの政治家が多いようで、ますます”国会いらないだろう!”と思う今日この頃です。

にほんブログ村 政治ブログ にほんブログ村 政治・社会問題 にほんブログ村 風力発電・太陽光発電

|

« 国民負担で発電事業者に儲けを献上する再生エネルギー法 | トップページ | ”電田プラン”支持の鹿野農水大臣!休耕田をコンクリートで固めちゃって本当にいいんですか? »

「太陽光発電関連情報」カテゴリの記事

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

国産の保護主義ですか?かって、品質は世界一だぞ、と言って、過去の成功体験を後生大事にして、不要なマスク工程を増やし過ぎて、コスト高に陥り、自滅したDRAMの再来を応援してますね。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2553 をご覧下さい。それから、地方公共団体の収益事業ですか?天下りで、しゃぶり尽くされますよ。余りに無知な知識ですね。少しは調べて勉强したら、いかがですか?

投稿: 黒木正幸 | 2011年7月19日 (火) 16時38分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528455/52048180

この記事へのトラックバック一覧です: 再生エネルギー法を悪用すれば安価な中国産太陽電池パネルでぼろもうけ:

» 太陽光発電の訪問販売の雇用形態の裏事情に大企業とブラック企業の相互依存を見る [太陽光発電マンのブログ]
太陽光発電日記の記事がなかなか切れ味鋭い。 メーカーが福利厚生ばっちりで雇った社員では利益が出ないので直販舞台を捨て、販売施工会社を作ったり、あとは訪販会社任せ。訪販会社の社員は個人事業主のフルコミ営業。 勢い生活かかってるからオーバートークで、苦情続発。... [続きを読む]

受信: 2011年7月15日 (金) 16時05分

« 国民負担で発電事業者に儲けを献上する再生エネルギー法 | トップページ | ”電田プラン”支持の鹿野農水大臣!休耕田をコンクリートで固めちゃって本当にいいんですか? »