低コストの海外製流入で苦戦する国内生産メーカーを薄利で応援したい!
原発でおいしい思いをした電機大手の東芝さんが、フィリピン生産のアメリカメーカー(サンパワー)の水先案内となるOEM製品で、国内生産にこだわってきた既存の日本メーカーがシェアを維持してきた日本国内の太陽光発電市場に参入してきました。
最近、そのアメリカ・サンパワー社の太陽電池が、普及品としては世界1位のモジュール変換効率19.3%を達成しましたが、フィリピン生産ということでコスト競争力もあり、先発の日本国内生産のメーカーの地位を脅かしそうです。
ちなみにこれまでの世界一は、サンヨーさんのHITで17.9%だったわけですが、それは、結晶シリコンとアモルファスシリコンのハイブリット構造のHIT太陽電池といわれるもので、界面領域での電子の欠損ロスを低下させたハイテク仕様のものでした。
それに対して、東芝さんがOEM供給を受けたサンパワーのものは、単純にモジュール前面のセルをつなぐ配線をすべてパネルの裏側に配置することで、太陽電池の有効受光面積を大きくしたことで実現したものです。
パネルの前面の配線を微細なものにすることで、発電有効面積を大きくするということは理論的には簡単ですが、工程的には、組み立て工程が複雑になる、接合部分が微細になるなどで、断線ロスのリスクが大きくなる分、大幅に手間をかけてケアしなければならないわけですが、人件費が極端にやすいフィリピン生産ということで、その辺の工程上の問題をクリアしたようです。
通の目からみたら、高効率のために耐久性を犠牲にしたという見方もできるわけですが、現時点での東芝さんのメインの販売ルートは、情報弱者を狙い撃ちできる訪問販売ですから、その弱点を指摘されるケースは少ないでしょう。
フィリピン生産で原価が安くても、高めのメーカー希望小売価格をつけて、”世界一の発電効率の新製品を破格の低価格の条件で提供するモデル工事”という”訪問販売セールスが得意とする”モデル商法”がつぼにはまる可能性は大きく、他の日本生産メーカーの苦戦が予想されます。
※
そうした中、長年日本生産のメーカーに肩入れしてきた自分としては、国内生産にこだわってきたメーカーが苦境に立たされるのを見過ごすわけには行きません。
そこで、日本生産のものについては、あえて粗利設定を下げて提供することで、日本生産の太陽電池の側面支援ができたらと思い、年内国内生産メーカー応援キャンペーンをすることにしました。
以下の見積で提供しますので、補助金が国の分だけのエリアでも、10年で償却できるかと思います。耐久性・信頼性ということで、日本国内生産にこだわるメーカーの応援よろしくお願いします。
参考費用(スレート切妻)
多結晶タイプ・・・3.4kwで約150万円
単結晶タイプ・・・3.4kwで約170~180万円
これなら、東芝さんのフィリピン生産と渡り合えるかと思います。
以下参考にしていただければ幸いです!
多結晶 三菱・シャープ・単結晶HIT パナソニックの参考見積(クリックで拡大)
太陽光発電の選択は年間発電予測量÷設置費用で数値化してみるとわかりやすいですが、それだけだと、コスト面で海外製が圧倒的に有利になります。
訪問販売の高い営業利益を乗せても、1kwあたりの費用がかわらなかったりして、かなりの薄利販売をしないと、その土俵での苦戦は必至です。
数値化できないメーカーのアフターサービス体制、実用実績からくる耐久性の高さ、建物に対する安全性など、日本国内生産メーカーのよさが生きる部分をうまく伝えていきたいものです。
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