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2012年2月 3日 (金)

搾取しているのは労働者のほうかもしれない・・・先進国勤労者の多くが収益上は不要な時代

いまだに労働者は資本家に搾取されるとかいう認識でいる化石のような労働組合の活動家がいます。しかし、事実は違います。

しいて搾取されるといえるのは、優れた特殊技能のある勤労者か、発展途上国なみのコストパフォーマンスを発揮できるワーキングプアの勤労者くらいではないでしょうか?

酷な言い方をすれば、連合に加盟しているような官公労とか大手企業の勤労者の中の相当数は、むしろそうした有益な勤労者から得られた収益のおこぼれを配分してもらって、能力働き以上の対価をもらっているパラサイトという見方もできます。グローバルな純粋競争原理で企業が利潤追求をしたなら、海外のコストパフォーマンスに優れた労働力と交換できる明確に不要な人員であるといわれてしまうのではないでしょうか?

シャープが2900億円赤字、ソニーが2200億円赤字、パナソニックが7000億円赤字・・・今まで御用聞き営業をしているだけで、800万円以上の年収をもらっていた社員が、無傷ですむとは思えない状況になってきています。


グローバル時代に市場の競争原理が浸透すればするほど、再生産価値の高い割高な先進国の労働者の多くは、市場競争原理のうえでは不要な存在になり、先進国勤労者の棄民化問題が深刻になるはずです。

途上国の勤労者の賃金水準が上がるか、先進国の勤労者の賃金水準が下がるかして、市場原理的なバランスが取れるまで、その棄民の流れは加速するでしょうから、仮に世界的な競争力に優れた企業が育ったとしても、企業活動・経済活動の領域だけで大量の棄民を救済する根本的な問題解決はできません。ワーキングシェアとか、富の社会的な再配分とか、たぶんに政治的な調整が必要となると思います。

しかし、今の日本は、正規雇用につけない若者の爆発的な増加とか、途上国並みの重労働低賃金のワーキングプアとか、一部の人間にしわ寄せすることで、連合参加のパラサイト状態の労働者の待遇がかろうじて維持されている状況で、根本的な問題解決には向かっていません。日本の経済的な余力がなくなるとともに、連合参加の恵まれた労働者の待遇の維持も難しくなるのが見えています。

結局・・連合が内需拡大のために賃上げでを求めても、企業のコスト負担が増え、海外流出圧力が高まるだけで、産業の空洞化が進むという悪循環を招いているだけです。

むしろ貯蓄の余裕がある労働者の収入を今以上に増やすより、休日を増やして給与を減らし、その分を即消費に結びつくワーキングプアの待遇改善につなげるようなあり方こそ検討すべきなのではないでしょうか。

そうゆう提起をすると、産業投資をして、国際競争力のある企業・産業分野を育てれば未来はばら色みたいな、机上の空論がまかり通っていますが、時価総額世界一の最優良企業であるアップル社も、アメリカの雇用には結びついてはいないようです。

アップルの隆盛と雇用喪失 岸博幸クリエイティブ国富論~ダイヤモンドオンラインより引用
http://diamond.jp/articles/-/15974

”まず、時価総額が世界一と米国を代表する企業になったアップルの米国内での雇用者数は4万3000人です。この数字はどう評価すべきでしょうか。
 1950年代の米国を代表する企業であったGMは、最盛期に40万人以上の米国人を雇用していました。1980年代の米国を代表する企業であったGEも、それには及ばないものの、数十万人の米国人を雇用していたのです。
 すなわち、アップルの雇用者数は、往時のGMの10分の1と、かつて米国を代表した企業と比べるとかなり少ないのです。
 もちろん、アップルは本体以外でも雇用を産み出しています。その代表はアップル製品を製造する下請け会社での雇用であり、そこでは70万人もの技術者や工場労働者が雇われているのです。しかし、その雇用のほぼすべては米国以外の国で産み出されたものであり、結論としてアップルがいかに成長を続けようと、それは米国の雇用にあまり貢献していないとなります。”

引用以上

Photo
コイズミタケナカのグループで新自由主義信奉者かと思っていた岸博幸氏ですが、市場競争=産業投資=ばら色の未来という思考ではないようでした。グローバル化の中で、競争原理の先に先進国民が窮乏化する必然を見出して、経済以外の領域で必要な処方箋があるという含みを持たせていたので興味をもたされました。(次回が楽しみです)

生活水準の高い先進国民が、低賃金重労働の途上国民と競争させられるグローバルな市場競争の現実を、冷静に受け止めるしかありません。

先進国の勤労者は搾取されるのでなく、多くが不要となり捨てられるという厳然たる事実を受けとめないといけないと思いました。

そうした必然を転換するには、市場経済原理とは別の力が必要です。

得意分野が稼いだ分を、一握りの富裕層に偏在させて滞留するのではなく、その滞留分に的を絞って再配分することで、国際競争上のコスト負担にならない富の配分をすすめ、役割分担しながら、途上国水準が上がるのを待ちながらソフトランディングさせていく・・・・。

そんな離れ業を実現できるのは日本的共生理念しかないのではないかと思います。

具体的には、国際競争力のある労働集約型の付加価値産業部門を強化して安定収益を得る一方で、あえてその稼ぎを当事者に配分しないで、労働機会創出のために限定して再配分する形です。

本来ならば国際競争の中で失業状態におかれざるえない労働力を活用して、最低限の生活を守るための、食料自給率を高めるために配分する(生活保護ではなく労働の対価としての所得配分にこだわるべき)など、グローバリズムによる棄民化圧力をしのぐための政治介入をおこなっていくしかないと思います。もちろん、国際競争のマイナス要因である行政コストも滞留資産を生じない程度まで削減することも重要です。

このままいけば、一握りの欲豚の肥大化と裏腹に、多くの国民が、底なし沼のようなワーキングプアの集団に飲み込まれていくわけですから、今与えられている権利にこだわっていても絵に描いたもちです。

棄民化をいかに歩留まりさせるか、という点に絞って考え、既得権益を放棄したところからやりなおさないと、いけないと思います。

情けは人のためならず・・自利利他の日本精神にたって、大胆なワーキングシェアを政策的に牽引し、棄民化に歯止めをかける動きを期待するとともに、旧態然とした労働運動の消滅を期待します。

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