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2012年3月10日 (土)

国際太陽電池展で感じた優良中小メーカーの大企業離れ

先週有明ビックサイトで開催されたスマートエネルギーウィークの中のPV・EXPO2012に行ってきました。
あの広大なビッグサイトをすべて埋め尽くして、太陽光発電・二次電池・スマートグリッドなどスマートエネルギー関連に特化した大規模な展示会でしたが、その分野に限らず、日本の製造業の肝となる産業技術のかなりの部分を下請けの企業が担っていること、産業コンダクターたる大企業による系列管理に過度に依存したために、フリーチョイスのコンダクター機能の欠如が日本の産業再生の弱点になっていることなど、将来の日本の鍵となる産業イメージを広げるのに有効なインスピレーションを得られるいい機会だったと思います。

Pvexpo

Photo

日本の産業政策は大企業中心だったと思いますが、それが生んだ大企業の”親方日の丸”体質が、ツケを下請けに押し付けることで自身の改革を先延ばしにし、大企業の市場での存在意義を徐々に脆弱にしてきた側面もあるような気がします。

下請けとして大企業を支えてきた力のある中堅企業が、安易なコスト至上主義で、重大な裏切り行為を平然と重ねる大企業の仕打ちに怒り、系列離れを起こし、独自の道を模索し始めているという空気を、色んな場所で感じました。

日本の産業力の源泉である優良な中小企業が、個別に外資に食われてしまったら、名前が知れているだけの、図体がでかいだけの大企業など、ただの粗大ごみとなてしまうのでないか・・・大企業中心の従来の産業政策など、一挙に砂上の楼閣となって崩れてしまうのでないか・・・追い詰められた下請け企業が下す決断が、日本の産業構造の崩壊の引き金となっていくような危機感をひしひしと感じました。

にもかかわらず、日本のメガバンクは、保守的な融資方針を繰り返し、日本の政策金融も硬直的なマニュアルで、資金の有効配分ができないでいます。
かって奇跡の経済成長を牽引してきた、優秀な産業コンダクターだったはずの大企業も、今は見る影もなく、事なかれ主義に犯されたぶら下がりサラリーマンの巣窟となり、度量なき経営者の下、減点主義にさいなまれながら、優良なパートナーであるはずの中小企業に、放漫経営のツケをおしつけています。
大企業の系列を中心に成立してきた産業構造が崩れ新たな産業再編のガラガラポンが始まる前夜なのかもしれませんね。

優秀な生産技術を持つ中小企業の力を市場で結実させる企画力・資金調達力のある新たなるコンダクターの登場が、今ほど求められているときはないと痛感しています。

日本人はこつこつと技術を積み重ねるのも得意ですが、柔軟に状況に対応して、現実をアレンジしていくのも得意ですから、世界の工場となったアジアの新興国を巻き込んだ産業再編で優秀なコンダクターとして力を発揮できる日本企業が誕生し大きく育ち、次の時代を築いてほしいと思います。

参考引用

私の PV EXPO 2012 参加報告より抜粋 (業務に触れない部分のみ抜粋して転載します・・・興味のある方は当日の雰囲気を味わってみてください)

・・・・前略・・・・展示会場のかなりのスペースをさいて、世界各国の太陽電池モジュールメーカーが出展していましたが、パネルのサイズが違う程度で、どれも代わり映えせず気になるのは卸し価格だけという感じでした。

  中国・韓国・ヨーロッパ・アメリカと積極的に参加してきていましたが、正直いって、彼らが期待していたような成果はなかったのではないかと思います。

 一方、シャープ・パナソニック・三菱電機などの日本勢はかなりの人だかりで、日本メーカーのブランド力の前には、従来然としたパネルタイプの太陽電池しか提供できないレベルにとどまっている低レベルの海外メーカーでは太刀打ちできないと思いました。

  意外なのは、最先端技術は集う展示会のわりには、透明ガラスと一体となったモジュールとか、防水シートと一体になったモジュールとか、客の関心を集めれる新製品の出展のボリュームが少なく、会社の数は多くても、業界の層が薄いという実態が実感できました。

 技術水準が高くないと作れないような提案力のある太陽電池モジュールを提供できないメーカーは近い将来は生き残れないという気がします。

  高度なデザイン性・ファッション性が問われる建材としての太陽電池モジュールが当たり前に成ったとき、市場は爆発的に拡大すると思われますので、その時代に対応できるメーカー・施工技術というものをいまから、掘り起こしていくべきだと思います。 

・・・略・・・

 市場の蓄電池とのセットアップに対する関心の高さをうけて、蓄電連動が打ち出されていましたが、電力会社とのからみもあって、多くは独立電源型の蓄電システムにとどめられている印象でした。

 そんな中、パナソニックは電気自動車あるいは家庭燃料電池などの小型発電とも連動しながら、分電盤経由で管理しながら家庭の電気を供給できるパワーステーションによる本格的な蓄電システムを提案して関心を集めていました。

 来年度より開始されるリチウムイオン蓄電池に対する助成制度を見越して、それと連動できる太陽光発電という打ち出し方を準備していると思われましたが、パナソニックの太陽光発電の販売業者と競合した場合に、三菱・シャープが対応できていないその辺を攻められる可能性を感じました。

 シャープも鉛蓄電池を展示していましたが、鉛電池は助成対象外なので、補助対象の蓄電池と、既存の太陽光発電システムを連動させれる切り替えユニットなどの周辺機器をEC特注で用意するなどして対処できるようにしておかないと、軒並み客を取られかねないのではないかと思いました。

・・・略・・・

 

基調講演では、アメリカ・ヨーロッパ・日本の行政支援の関係者の講演が行われました。

 欧米では行政支援のおかげで太陽光発電が普及しましたが、コスト競争激化で、中国メーカーは成功の果実を得られたが、国内メーカーの成長につながらなかったという現実に悩んでいました。

 コスト努力とともに技術力が求められる最先端分野に力を入れ、価格の安い新興国メーカーとの差別化をいっそう追及するという方向性は出していましたが、積極的に政治的に新エネルギー支援を行ってきた欧州が、新興国メーカーに食われ、自国産業の未来を見通せない苦悩を感じさせていて興味深かったです。

  日本の経済産業省の再生可能エネルギー普及の担当者は、そうした貿易産業問題とは別の話でした。

 民間エコファンドによる新設の屋根貸し制度を利用した設置拡大に力を入れるということで、普及のてこ入れ先を、住宅用から営利・非営利含めた発電事業に変えるという方針を匂わせていました。

 ・・・後略・・・

引用以上

産業界も、政界も、ガラガラポンの時代かもしれません。自己保身に徹して事なかれでやり過ごそうとしても、時代の波は容赦なく襲い掛かってきます。

覚悟を決め、自分がなすべきこと、自分ができることを実直に積み重ねていくことに徹したほうが、下手に保身に走る事なかれ主義よりも、後悔がなく納得ができる結果が生まれるのではないかと思って生きるようにしています。

保身に徹した人生を送ってきたのに、突然の災害ですべてをなくしてしまうとか、病気で余命宣告を受けるとか・・人生は逆説的な出来事に富んでいます。勇気を持って一歩一歩踏み出して生きたいものだと思います。

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