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2012年9月28日 (金)

素人がはまるワナ=耐久性を犠牲にした太陽電池モジュール変換効率競争

太陽光発電導入にあたり、どのメーカーのものにするか選ぶとき、モジュール変換効率=面積あたりの発電効率で性能の高さを判断しているひとが多いようです。

しかし、これには大きな落とし穴があって、モジュール変換効率は耐久性と反比例の関係にあるという盲点に気づいている人は意外と少ないようです。

製造業に従事される技術屋さんなら、見せ掛けの数値化されたモジュール変換効率だけで商品選択をしてしまう無邪気な間違いは犯さないと思いますが、大多数の素人の人は、変換効率が高い=高性能と短絡的に考えてしまいがちです。

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モジュール変換効率を高めようとしたら、発電する部分(受光部分)を大きくするために、配線部分、補強部分など発電しない部分を減らすのが一番手っ取り早い方法です。

福島第一原発事故で脚光をあびた東芝は、太陽電池ではフィリピン生産の海外メーカー(サンパワー)の製品をOEM供給をうけていますが、そのOEM商品が世界最高の19%というモジュール変換効率を達成しています。

その効率を大幅にアップさせるために採用した方法は、配線をすべて光が当たらない裏側に持っていき、受光面積を究極まで高めるというものです。

確かに発電しない部分を減らすことで、受光面積が飛躍的に増大し、面積あたりの発電量は大きく伸びます。

しかし、発電効率を高めた一方で、セル間電位差のストレスを解消するバイパス経路が減るリスク、熱変化で収縮を繰り返す配線自体の断線リスクというもうひとつの性能の柱である耐久性を犠牲にしているという面もあるわけで、20年後にどの程度の稼動実績を維持できているかというと大きな問題を抱えているといえるのじゃないでしょうか。

東芝さんの場合は原発メーカーとしてさんざんおいしい思いをしてきたんでしょうが、脱原発の太陽光発電ブームでも短期間でおいしく稼ごうと、手っ取り早くOEM製品を売り抜ける戦略なんでしょう。

目先の売り上げのために、素人に訴求しやすいモジュール変換効率を偏重して、耐久性の確保をおろそかにする志の低いメーカーが売り上げを急増させる背地がないご時世です。

しかし、その一方で、耐久性の方に力点を置いた堅実なメーカーも存在していて救われます。

数年の売り上げ利益ということを考えれば、素人に訴求しやすいモジュール変換効率に特化するという商品戦略もありですが、三菱電機さんなんかは、20年後を見越して信用を積み重ねるというスタンスなのか、あえて耐久性のほうに力点を置いたものづくりをしていまして好感が持てます。(素人評論家にモジュール変換効率の低さ=性能の低さみたいな不当なレッテルを貼られているようですが・・・)

三菱電機は5年ほど前に太陽光発電システムで世界一のシステム変換効率を実現していました。にもかかわらず汎用品ではダントツにモジュール変換効率が低い製品をラインナップしていて不思議でしたが、理由は耐久性とかコストの両立から汎用品化を見送ったということなんでしょう。

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どうやら断線リスク、バイパス経路の確保による電位差ストレスの解消という観点から、長期使用を前提とした汎用品ではあえて受光面積を削って耐久性に配慮した構造にしたようです。

パワコンの電力変換効率では高い技術力で高効率を確保しているので、システムトータルでの変換効率は確保できるので、じわじわと高評価が浸透してくる耐久性と実発電量を重視しようという方向性を選択したようです。

 

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三菱電機さんは、家電メーカーの中では地味な存在ですが、エアコンとか掃除機とか、堅実さが売りの高い品質で確実にファンを作っています。太陽光発電の分野でも、同様のものづくりのコンセプトを貫こうということなんでしょうね。

最近、発電事業用太陽光発電システムの相談を受けることが多いですが、定格出力を基にした売電予測を元に数字上の利回りを追求されると、中国製・韓国製・フィリピン製の太陽電池に比べて、日本製は価格面で大きなハンデを背負っていると痛感します。三菱電機のように、短絡的な数字上の比較で判断できない日本製の太陽電池の価値をがいかに浸透させていくか苦戦続きの毎日です。

しかし「とんびにあぶらげ」を狙って、海外メーカーのOEM製品で太陽光発電分野に急遽参入してきた東芝と違い、古くから太陽光発電開発に取り組んできた日本のメーカーは、50年近い実績の積み重ねの中で、想定外のトラブルの経験を積み重ね、製品改良を重ね、実用レベルでの信頼性は絶対だと確信しています。違いは10年後に出てくるということをしっかり訴えていきたいと思います。

日本の主要な家電メーカーの元気がないようですが、コスト至上主義で安易な海外移転を増やし、日本メーカーの生命線であった品質を犠牲にするという過ちを重ねたいうこともあるのではないでしょうか?
先日、高くてもいいものだから当然という信頼をもって購入したパナソニックのテレビが、メーカー製品保証が切れる1年経過したとたんに故障して愕然としたという話を聞きましたが、今の日本の家電メーカーを象徴する出来事だと思いました。(高いのは品質でなく本社スタッフ給料とか広告費用がずば抜けて高いから?)

長い年数をかけて培ってきた”MADE IN JAPAN”ブランドの信頼を踏みにじるような情けないものづくりが、サラリーマン社長の減点主義の数字管理の下で常態化してしまったこと・・・・それが、今日の日本の家電メーカーの衰退の背景にあるような気がします。

今なお世界市場で高い競争力を維持できているトヨタとの違いは、トップが守るべき職人気質=心意気を見失っていないかどうかということなんだろうと思います。

一度失ってしまった信頼は、早々取り戻せるものではありません。それだけに今日の惨状を招いた企業リーダーたちの責任は重大だと思いますが、過ぎてしまったことはしかたがありません。ゼロからやり直すつもりで、なぜ”MADE IN JAPAN”を世界が評価してくれたのか・・・そのベースとなるべき真面目なものづくりの原点に返り、こつこつと信頼を積み重ねていくしかないと思いますし、日本再生の鍵もそのへんにあると思います。

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