三菱の太陽電池は定格出力表示をわざと低くしているかもしれない
太陽光発電の分野でも、価格競争のために海外生産の比率が高くなってきています。高効率の高付加価値商品として、サンヨー時代は主に訪問販売経由で売られていたHITですが、パナソニックに吸収されてから海外生産での低コスト化が模索され、インドネシアで半額くらいのコストでつくられるようになるようです。
ほかの日本メーカーも海外生産の比率を高め、シャープなども機種によっては1kwあたり30万円前半で提供できるようになっています。
そんな中にあって、唯一国内生産にこだわってるのが三菱電機ですが、いくら薄利で応援しようとしても、絶対的なコストの差はいかんともしがたく、1kwあたり30万円代がやっとで、今後の動きが注目されるところです。
そんな三菱電機ですが、実発電量という点では群を抜いて好成績を挙げていまして、長期の信頼性とあわせて、長期的な採算性を訴求しようとしているようです。
最近工事した207wのパネルの出力表を見ますと、定格より3%くらい高いものが多く、あえて定格出力表示を控えめにしている事に気づきました。国内主要メーカーとしてははじめて太陽電池パネルの20年出力保証を開始しましたが、経年劣化による出力低下リスクを想定しても最低限の出力を確保できるように定格出力表示を低めにしているようです。
以前から長期保証をつけていた海外メーカーの場合、出力保証といっても、製品の品質保証ではなく、能力が落ちたら無料で新品と交換しますよといったものでしたが、三菱電機の長期出力保証の場合は、当初設置した製品そのものの最低限の出力を保証しますよということですから、断然ハードルが高いです。その高いハードルを超えるためにわざわざ定格出力表示を低めにしているということがよくわかります。
1年前に設置されたお客様の生データがそのことを如実にあらわしています。
三菱電機 7.2kwシステム発電記録(クリックで拡大)
システム出力7.2kwなのに年間合計で10,356kwhも発電しています。通常1kwあたりの発電量は1100kwh程度ですが、このお宅の場合は1400kwを軽く超えています。
見方を変えると、1kwあたりの発電量が年間1200kwhとしてみてみると、こちらのお宅は、出力8.6kwのシステムと同じ程度の実発電量を達成していることになります。
多少コストが高くても、長期的な収益性を考えると十分導入検討の対象とする性能は確保できていると思います。
もっともそうした三菱電機の太陽電池モジュールですが、現在受注オーバーの状況で、新規受注分については6月まで入荷のめどが立たない様子です。生産量が多いシャープのものでも国内生産は4月まで生産枠が埋まっていて、国内メーカーのシリコン結晶タイプの太陽電池はどこも入手困難で、即入手可能なのは海外メーカーのOEM製品のみという状況です。
面積あたりの発電量が低すぎて、日本向きでない薄膜タイプのパネルについては腐るほどあまっているようですが、住宅用としては設置出力が低くなるのは致命的です。入荷を待ってシリコンタイプを設置したほうがいいかもしれません。
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コメント
こちらは、兵庫県は、姫路市で
HIT8.67kw
南西(南より30度西より
勾配26度 ですが、
やはり年間1400kwh/kwくらいで、
年間12100kwhは、発電していますよ。
投稿: HIT発電所 | 2013年2月11日 (月) 14時15分