IH調理器でみたものづくりの差=調理にこだわった三菱VS数字にこだわったパナソニック
経営の神様として有名な松下幸之助さんの創業によるパナソニックの凋落振りが著しいです。
日本で初めて家庭用IH調理器を商品化したわりに(IH調理器そのものの商品化は業務用IHを商品化した三菱のほうが先らしいですが)、15年にわたりIHユーザーの本質的な不満に答えようとしていない事実を見ても、数字上の業績を追求するばかりで、社会奉仕の精神とか、顧客満足という大切なものを置き忘れてきた表れのような気がします。
なべ料理の加熱ムラを解消できないパナソニックのユーザーの切実な声
IHはガスに比べると、マズいですよね!?
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3647894.html
光センサーでなべ振りができるようになったとか、アルミとか銅とかのなべも使えるオールメタル対応の調理器を商品化したという進化はありましたが、料理の出来具合という点ではあまり進化させれなかったのではないかという気がします。
他の日本の家電メーカーについてもいえることですが、何でも数値化して評価してしまう「デジタル男子のものづくり」(まるで民主党の松下政経塾あがりのお子様ネオコンみたい)が、いまひとつの商品しか生み出せず、かってウオークマンのような世界を魅了する商品を次々と生み出した時代の輝きを失っていったように思います。
もっとも松下(パナソニック)というのは昔から「マネシタ電機」と陰口をたたかれていたように、ものつくりの点では必ずしも評価されていなかったのは事実です。
メディアフル活用で高めたブランドイメージで、他から調達してきた技術を取り込んだだけの自社商品の付加価値を高め、収益を拡大してきただけの「張子の虎」という酷評も妥当な側面もあって、「ものづくり主体」というより「マーケティング主体・経営戦略主体」の企業ともいえなくもなかったかもしれません。
その意味で、かってのソニーというよりも、韓国のサムソンに近いタイプだったんで、そもそものスタンスが実際のユーザーの生の声からずれていたのかもしれません。
IH調理器の販売シェアがダントツ№1であるメーカーなのに、その事業利益に安住し、短期利益を重視し、ユーザーの不満を解消できる商品の開発をないがしろにしてきたツケが表面化してきているのが今日のパナソニックなのかもしれません。
先ごろ国内従業員数の大幅削減と、中国生産の更なる拡大を発表していましたが、「パナソニック終わったな・・・落ちるところまで落ちるんじゃないかな」という気がしました。
※
IHといえばパナソニックという過去の幻影が崩れつつある中、最近、じわじわと評価があがってきているのが三菱電機のIHです。
偏差値エリートたちによる洗練されたコンセプトワークによるマーケティング戦略に基づくパナソニックの商品企画の対極で、地味な主婦のアナログな調理感覚でIHを進化させてきた三菱電機だったんですが、調理の出来具合という本来の機能を比べたときかなりクオリティの高い製品を作り上げています。
実は、私自身は、IHなんてどのメーカーも変わらないと思い込んでいましたから、かなりの改良を積み重ねてきた加熱構造が、他のメーカーと決定的に違うことがわかり驚きました。
ある意味、売れて儲かるんだからいいだろうで終わらせない、「ものづくりの真髄ここにあり」で、今後のMADE IN JAPANの可能性を見るうえで注目に値すると思います。
IH調理器というのも10年くらいは使う商品ですから、電通得意のメディアスクラムじゃないですが、電波洗脳で売り抜ければ、多少難点があってもイメージ先行で当分の間は大丈夫な商品です。
しかし、実際の商品評価が頑強な口コミとして浸透する20年スパンでは、「うそも百篇言えば真実にできる」電通得意の印象誘導も、「真実を百篇言えば信念になる」という真実の口コミ伝播のまえに退散せざる得ない結果に行き着く分野の商品だと思います。
※「IH調理器の弱点・・・加熱ムラの解消に対する企業の努力はコイルを見れば一目瞭然」
IH調理器の決定的な弱点は、磁力により調理器に渦巻き電流を発生させ、その電気抵抗で調理器そのものを発熱させるという加熱方法に起因します。熱源を生じる肝心の磁力ですが、均質に渦巻状にコイルを重ねれば内と外とで発生する磁力が変わってきますので、当然のことながら内と外で加熱ムラができます。
それを解消するためには、コイルの形状と、制御方法を工夫して、独自の加熱構造を開発する必要があるんですが、その変遷をみると、そのメーカーの調理に対するこだわり度合いというか、顧客満足への探求姿勢がよくわかります。
三菱電機さんの場合は、他のメーカーと比べて、加熱機能の心臓部ともいえるコイルの工夫のあとが如実に現れています。
※参考画像 三菱IHのコイル構造の進化
加熱ムラをなくすために対流加熱を生み出す加熱構造を進化させたわけですが、IH調理器で作るカレーはまずいという偏見をあざ笑うかのようなできあがりで驚きました。
料理の味というのは素材とその味を引き出す火加減で決まるわけですが、家庭用のシチュー鍋なのに、レストランの大鍋で作ったような火加減を再現できたから生まれたような深い味わいが出ていました。
てんぷらでも煮物でも大鍋のほうがおいしいのは、温度むらができづらいからなんですが、素材投入で生じる温度ムラをすばやくカバーできる対流加熱で、家庭用の小さな鍋で大鍋と同じ対流加熱を再現する三菱ビックリングIH・・・MADE IN JAPANの技術力とMADE IN JAPANの主婦感覚の製品開発の融合が生んだ製品力はなかなかのものだと思います。
そうした対流加熱の機能の高さを説明する上でわかりやすいのは、「吹きこぼれ」がないということです。
乾麺をゆでるときに、乾麺がはらんだ温度ムラが、対流の暴風雨状態を生み出して、「吹きこぼれ」が発生するんですが、驚いたことに三菱のビックリングの場合、「吹きこぼれ」の直前で対流制御をするんですね。
普通の乾麺をゆでるときは、ふきこぼれそうになったところで水を差して温度を制御して、ふきこぼれを押さえるんですが、対流の内向き外向きを発生させるIHの加熱リングの絶妙な加熱制御で、吹きこぼれなく麺のでんぷん質のうまみを引き出す最高の温度を保てるようになっています。
※
三菱電機さんの場合、電通のテレビ広告に使う費用を、製品開発のほうにあてている傾向が大きいので、すぐれものの製品を作っていても、地味すぎてあまり多くの人に知られていないことが多いです。その割りにムーブアイエアコンとか掃除機とか口コミで評価が定着した製品も多いですが、三菱のIHなどその実力はまだまだ知れ渡ってないですね。
私も体験するまでは、違いがわからなかったんですが、機会があったら体験して、ぜひ違いを実感してもらいたいと思います。
偽日本人広告会社の電通を通して浪費される馬鹿高い広告宣伝費の分が、日本メーカーの製品価格に乗っかって国際競争の足をひっぱってるわけですが、テレビコマーシャルに安易に乗せられる消費者が減って、多くの消費者が、本物の製品選びの目を持つようになれば、無駄な広告費の分が製品開発に向けられるでしょうし、そうすればMADE IN JAPANの製品価値は高まるはずです。これからも「いいものはいい」「悪いものは悪い」という口コミに役立ちたいと思います。
三菱電機 ソリューションプラザ
名古屋市東区矢田2丁目15?47
三菱電機住環境システムズ(株)中部支社内
052-725-2050
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